正社員・派遣・フリーランス、同じ年収なら手取りはいくら違う?【2026年版】
年収500万円の場合、正社員の手取りは約392万円、フリーランスは約357万円。差額は約35万円です。 さらに正社員には会社負担の社保(約75万円/年)、退職金、ボーナス、有給休暇といった隠れた収入があり、実質的な差はさらに大きくなります(雇用形態別 手取り比較ツールで計算、2026年税制対応)。
「フリーランスは月80万稼げる」「派遣は時給4,000円」——そんな話を聞くと、正社員のままでいいのか不安になることがあるかもしれません。
しかし、同じ年収で比べてみると、手取り額は正社員のほうが多い。これは社会保険料の構造が根本的に違うためです。この記事では、3つの働き方を同じ年収で比較し、数字の裏側にある本当の差を解説します。
3つの働き方の基本的な違い
まず、それぞれの特徴を整理しておきます。
| 正社員 | 派遣社員 | フリーランス | |
|---|---|---|---|
| 契約形態 | 会社と直接雇用 | 派遣会社と雇用 | 業務委託(雇用なし) |
| 社保の会社負担 | あり(約15%) | あり(約15%) | なし(全額自己負担) |
| ボーナス | あり(2-4ヶ月分) | 基本なし | なし |
| 退職金 | あり | 基本なし | なし |
| 有給休暇 | あり(年10-20日) | あり | なし(休めば収入ゼロ) |
| 雇用保険 | あり | あり | なし |
| 確定申告 | 不要(年末調整) | 不要 | 必須 |
最も大きな違いは社会保険の会社負担。正社員と派遣は会社が保険料の半分を負担しますが、フリーランスは全額自己負担です。この差が手取りに直結します。
年収500万円の手取り比較
同じ年収500万円(40歳未満・単身・扶養なし)で、2026年の税制に基づいて計算しました(雇用形態別 手取り比較ツール)。
正社員の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 社会保険料(本人負担) | 約75万円 |
| 所得税 | 約9万円 |
| 住民税 | 約24.3万円 |
| 手取り | 約391.7万円 |
派遣社員の場合
社保の仕組みは正社員とほぼ同じ(派遣会社が会社負担分を支払う)。手取りは約391万円で正社員とほぼ変わりません。ただしボーナスがないため、年収500万円に到達するためには、より高い月給または時給が必要です。
フリーランスの場合(経費ゼロ)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 国民年金 | 約20.4万円 |
| 国民健康保険 | 約55万円 |
| 所得税 | 約29.4万円 |
| 住民税 | 約38.7万円 |
| 手取り | 約356.6万円 |
正社員との差額:約35万円。 同じ年収なのに35万円も少ない。最大の原因は国民健康保険料の高さ(約55万円)です。正社員の健康保険料(約25万円、会社負担分を除く)と比べて2倍以上かかります。
ご自身の年収で計算するなら、雇用形態別 手取り比較ツールをお使いください。フリーランスの詳細は個人事業主の手取り計算ツールで経費も含めて計算できます。
正社員の「見えない収入」
手取りの差だけではありません。正社員には給与明細に載らない収入があります。
年収500万円の正社員に対して、会社が実際に支払っているコストは約575万円。差額の75万円は会社が負担している社会保険料です。
これに加えて:
| 隠れた収入 | 目安 |
|---|---|
| 会社負担の社保 | 約75万円/年 |
| ボーナス(年2回) | 2-4ヶ月分(年収に含む場合もあり) |
| 退職金 | 大企業:2,000万円以上、中小:数百万円 |
| 有給休暇 | 年10-20日(休んでも給与は満額) |
| 住宅手当・通勤手当 | 月1-3万円の企業も |
| 雇用保険(失業給付) | 離職時に受給可能 |
これらを含めると、年収500万円の正社員の「実質年収」は650-700万円相当。よく言われる「フリーランスは正社員の1.5倍の年収がないと同じ生活水準にならない」という話は、この計算に基づいています。
年収700万円の比較
| 形態 | 手取り | 差額 |
|---|---|---|
| 正社員 | 約530万円 | — |
| フリーランス(経費ゼロ) | 約481万円 | −49万円 |
年収が高くなるほど差が広がります。フリーランスは社会保険料が全額自己負担なうえに、累進課税の影響で所得税率も高くなるためです。
フリーランスが有利になる年収ライン
ではフリーランスが正社員より有利になるのはいつか。大まかな目安は以下のとおりです。
| 年収帯 | どちらが有利か |
|---|---|
| 600万円以下 | 正社員が圧倒的に有利 |
| 600-900万円 | 隠れた福利厚生を考えると正社員が有利 |
| 900万円以上 | フリーランスが有利になり始める |
ただし大きな前提があります。フリーランスは「毎月確実に案件がある」保証がないこと。正社員は毎月の給与が確定していますが、フリーランスは案件が途切れれば収入はゼロ。この不安定さは金額では測れないリスクです。
また、フリーランスは経費を計上できるため、実際の税負担は上の試算より低くなるケースもあります。PC・通信費・家賃の一部など、事業に関連する支出は経費として認められます。
派遣のメリットとデメリット
派遣は手取り面では正社員とほぼ同じですが、決定的な違いがあります。
| 派遣のメリット | 派遣のデメリット |
|---|---|
| 大手企業で経験を積める | ボーナスがない(基本) |
| 正社員より残業が少ないことが多い | 退職金がない |
| スキルが合えば時給が高い | 同じ職場に最長3年(派遣法) |
| 契約更新されないリスク |
IT業界では、派遣(SES)で経験を積んでから自社開発の正社員に転職し、年収400万→600-700万円にアップするパターンが多く見られます。転職による年収アップの効果は転職年収アップシミュレーションで確認できます。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 同じ年収500万の手取り差 | 正社員 約392万 vs フリーランス 約357万(差額35万) |
| 正社員の実質年収 | 隠れた福利厚生を含めて650-700万円相当 |
| フリーランスが有利になるライン | 年収900万円以上(安定受注が前提) |
| 派遣 vs 正社員 | 手取りはほぼ同じ。ボーナス・退職金の有無が差 |
3つの働き方を同じ年収で比較するなら雇用形態別 手取り比較ツール、正社員の手取り詳細は手取り計算ツール、フリーランスは個人事業主の手取り計算で計算できます。
※本記事の金額は2026年(令和8年)の税制に基づく概算です。年齢・扶養人数・居住地により金額は異なります。正確な金額は税理士等の専門家にご確認ください。
関連する計算ツール
ご注意
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。個別の税務判断については、税理士等の専門家にご相談ください。